塩野香料では、お客様や生活者のニーズを先取りした香り・香味の製品を開発するために、マーケティング・研究開発・営業が三位一体となって取り組んでいます。未来を予見しニーズを先取りする「マーケティング」、フレーバー・フレグランス香料を開発する「創香開発」、香料成分の機能性研究および創香素材の開発・分析をおこなう「基礎研究」の各分野から研究開発体制を敷いています。

マーケティング

国内外での独自の調査を行い、香り・香味のトレンドを分析し、市場のニーズを先取りした製品開発や提案活動を研究開発、営業と三位一体で行っています。時には社外の知恵も結集して、お客様の要望を踏まえつつ、香料提案の枠を超えた戦略的なアプローチ提案などのコンサルティングの役割も対応しております。また、香り・香味のプランナーである「エヴァリュエーター(官能評価者)」をカテゴリーごとに配置し、お客様の期待を上回れるよう、提出サンプルのクオリティをチェックし、スピーディに対応します。

  • 独自の市場分析に基づいたニーズ先取りの製品開発と提案活動

    マーケターによる国内外の市場調査を通し、あらゆるトレンドを独自に分析。お客様も気付かない市場のニーズを先取りした製品開発や積極的な提案活動を行っています。

  • コンサルティングにも対応

    社内外の知恵を結集し、お客様のお悩みにも幅広く対応しています。これは、さまざまな業界やサプライヤーとつながりのある、私たちだからできること。
    株式会社キチベエ

  • エヴァリュエーターが香り・香味のクオリティを保証

    提出サンプルのクオリティを保つため、各カテゴリーに専属のエヴァリュエーターを配備。お客様にご満足いただける提案をスピーディかつ的確にいたします。

基礎研究

技術の視点からニーズを先取りした塩野香料の将来をカタチづくる基礎研究に取り組むとともに、素材探索、加工技術開発や合成香料の応用研究を通し、調香技術との組み合わせで、または単独で塩野香料に独自性をもたらす新規素材を創香開発に供給しています。主な業務内容は、「有機合成」「素材開発」「分析」「研究発表」の4分野。近年はCSRやSDGsとの連動したソーシャルグッドな課題への取り組みを推進しています。

  • 有機合成

    長年にわたり蓄積された有機合成技術により、香料化合物の合成研究およびスペシャリティケミカルの創出を行っています。また、その技術(蒸留、抽出、カラム処理など)を応用した加工技術により素材開発も行っています。

  • 素材開発

    新規素材を開発し、創香開発に提供しています。天然素材や天然香料、合成香料を利用し、また様々な加工技術を開発し、それらを利用した付加価値の高い素材を開発します。

  • 分析

    市場のあらゆる香りや味を、さまざまな手法や分析機器(GC、GC/MS、NMRなど)で分析し、調合原料で再現するための可能性を探ります。

  • 研究発表

    「香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 (TEAC)」を中心に、「日本化学会」「日本薬学会」「日本農芸化学会」「日本園芸学会」などの学会に参加。発表および論文投稿を通じて、塩野香料の研究の成果や技術力を対外的にアピールしています。

創香開発
<フレーバー>

香りの中でも、食品に香りと味の一部を付与するものを「フレーバー(食品香料)」といいます。塩野香料では、1921年に我が国初となる国産エッセンス「扇印エッセンス」を開発して以来、飲料、菓子、冷菓、アルコール飲料、乳製品、歯磨剤、タバコなど、それぞれの製品の特性に適したフレーバーを提供してきました。塩野香料では、皆様の豊かな食卓を支えるべく、時代のニーズに対応したさまざまなフレーバーを開発しています。

  • スイート

    代表製品:飲料や菓子、冷菓など

  • セイボリー

    代表製品:レトルトカレーやカップラーメンなどの加工食品

<フレグランス>

食品以外のものに香りを付与するものを「フレグランス(香粧品香料)」といいます。塩野香料の目的は、香りを通じて皆様の生活に豊かさと潤いをもたらすこと。取扱分野は、香水などのファインフレグランスはもちろん、コスメティックやトイレタリー、ハウスホールドやエアケアなど多岐に渡ります。塩野香料では、使用感や機能性にも充分に留意しながら、香りのトレンドを追求したさまざまなフレグランスを開発しています。

  • ファインフレグランス / コスメティック

    ファインフレグランスやコスメティック商品に使うトレンディな香り。ヘアカラーの基材臭などを消すために、マスキング性を高めたものもございます。
    代表製品:香水、オーデコロン、化粧水、乳液、ヘアカラー、etc

  • トイレタリー

    シャンプーやボディソープなどに使うキャラクター性のある香り。
    代表製品:シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、石鹸、入浴剤、etc

  • ハウスホールド

    洗剤や柔軟剤に適した、清潔感に特化した香り。残香性を高めたものもございます。
    代表製品:洗剤、柔軟剤、住居・家具用洗剤、トイレ用洗剤、殺虫剤、etc

  • エアケア

    線香やキャンドル、芳香剤など、空間を演出する様々な香り。
    代表製品: 芳香剤、線香、リードディフューザー、キャンドル、etc

自分たちで悪臭をつくることも……

香料メーカーでは、悪臭を「マスキング」する効果を確かめるために、生ゴミの臭いやペットの糞便臭などを人工的につくることもあります。私たちの業界でいうマスキングとは、悪臭に対して別の強い香りをつくり、悪臭を覆い隠すこと。イメージしやすい例は、美容院で使うヘアカラーの基材臭でしょうか。この臭いを隠すには、その成分を分析し、どういった香りと相性が良いのか研究する必要があります。その際に必要とされるのが、マスキングの対象である悪臭というわけです。「敵を倒すには、まず敵を知ること」というように、「悪臭を隠すには、まず悪臭を知ること」が大切なのです。