S.M ｜塩野香料株式会社 - SHIONO KORYO KAISHA, LTD.

研究開発

お客様のイメージを具体的な香りに新しい香りを創り続ける「調香師」の仕事

S.M

【東京本社】　創香部

入社・志望動機を教えてください。

子どものころから「香り」に魅せられて、10代前半で見つけた「調香師」の仕事。
　“香料会社一択”での就職活動を経て、理念と事業内容に共感した塩野香料へ入社。

「調香師」の仕事をしたいと10年前から心に決めていたことから始まります。「父が愛用していた香水」をきっかけに、子どもの頃から香りに強い興味をもっていたんです。近くのスーパーに行った際にシャンプーや消臭剤のコーナーでテスターの匂いを嗅ぐことが好きでしたし、食事の際も匂いを嗅いでから食べることが習慣になっていましたね。
進路について考え始めた中学生の時、初めて「調香師」という職業を知り「私にはこれしかない！」と直感。将来の目標に向けて、情熱をもって楽しみながら香りの探求を続けました。
就職活動はもちろん香料会社一択です。中でも「塩野香料」は、「誠実本位」が企業理念の前面に押し出されていて、まっすぐで素敵な企業姿勢に共感したんです。さらに同業他社と違う点として、グループ会社「キチベエ」がブランディングを行うなど、香りに関する業務を幅広く手がけていることを知り、様々なことに挑戦できそうだなと、とても魅力を感じました。ご縁があって入社し、現在3年目になります。

今の仕事の内容を教えてください。

塩味のある食品に使われる「セイボリー系香料」を開発する現場。素材の一部から料理全体の表現に至るまで多種多様なオーダーに寄り添い、常に新しい香りを開発する。

現在、研究開発本部の創香部に所属しています。創香部は文字通り、新しい香りを次々と創っていく業務で、私が担当しているのは、フレーバーの中でも、塩味のある「セイボリー系香料」の開発です。
例えば、「カレー」「ラーメン」のように料理全体を表現することもあれば、「マグロ」「ウニ」のように具体的な素材の香り、「醤油」「コチュジャン」のように調味料の香りを求められることもあります。
まずは、お客様が思い描いているコンセプトやイメージなどのニーズを営業担当者がまとめ、香りのプランナー「エヴァリュエーター（評価者）」にオファーが入ります。方向性が検討され、イメージが固まった段階で我々開発担当に発注が来るという流れです。
創香時には、何千何万とある組み合わせの中から、社内に蓄積された製品情報を参考にしたり、先輩や上司にアドバイスをもらったり、トレンドも意識して最適解を模索していくんです。香りは見えないものですが、次第に形が見えていくような感覚で、私はこの過程にとてもやりがいを感じています。

今後の目標をお聞かせください。

「調香師」としてこれから達成したい目標とは。

今後の目標は、会社に貢献できる調香師としてさらに仕事の幅を広げることです。作業の高速化、自動化が進む中でも、専門職として生き残るために独自性を身につけ、技術や感性を磨き続けることを忘れずに、広く世界にも目を向けて多くのことをスポンジのように吸収したいですね。

若手新卒入社者視点で思うことをお聞かせください。

入社三年目の若手社員目線で見る「塩野香料」の姿。

ぜひお伝えしたいエピソードがあります。
面接試験を受けた当時、年号が令和に決まって間もない頃だったので、「香りを生業にされてきた社員のみなさんにとって平成という時代はどんな香りでしたか」と、かなり突飛な逆質問をしました。すると、面接官の一人ひとりがとても誠実に真剣にじっくりと考えて答えてくれたんです。まさか面接の場で、会社の理念である「誠実本位」を目の当たりにできるとは思わず、衝撃と感動を覚えました。先輩社員のみなさんが誠実な方ばかりで、毎日多くの刺激をもらいながら働けることに喜びを感じているんです。最近はキャリア採用でユニークな方も入社され、どんな化学反応が起きていくのか、その中の一人として反応を加速させるよう触媒的に働けたらいいなと、今後の「塩野香料」も楽しみにしています。

自分を香りに例えると……「炊き立てのご飯」の香り。

私を香りで例えるならば、「炊き立てのご飯」の香りです。生米とお水を炊くだけなのに、どうしてお釜からはふわっと立ち上る、あの良い香りがするのだろうと思うんです。
創香業務をしていると、意外な香りの組み合わせで驚くほど良い香りができることがよくあって、香りがもつ不思議な面白さに日々魅せられています。
炊きあがったご飯の状態はその日によって変わりますが、いつも心が安らぐ香りが、私自身の持ち前の真面目さと状況に応じて柔軟に仕事と向き合おうとする姿勢に共通する部分があると感じます。