調合香料の開発
香料の開発スタイルには、大きく分けて二つのパターンがあります。一つは顧客からの要望を受けて行う開発、もう一つは顧客が求めていると思われる香料を自主的に提案するための開発です。開発にあたっては、用途や消費者の使用シーン、市場やトレンド、顧客要望を踏まえて目的とする香調を設定します。その後、法規制や価格、供給状況を考慮しながら原料を選定し、配合比率を検討します。さらに、官能評価と改良を繰り返し、耐熱性や溶解性といった用途ごとの適性も含めて完成度を高めます。
香りの設計で、食の品質を高める。
私は、食品向け香料の開発を担当する調香師です。現在は、即席麺や調味料、冷凍食品など、「セイボリー」と呼ばれる食品向け香料を中心に開発しています。畜肉系や水産系、ハーブ、スパイス、シトラス、調理感、油、ミルクなど幅広い香料を扱い、食品のおいしさや満足感を高めるための香料づくりに取り組んでいます。業務では、社内の営業、アプリケーター、エヴァリュエーター、マーケターと連携し、開発方針の協議や試作品評価を重ねながら品質や提案内容を検討しています。また、原料調達ではグローバル調達部、製品化に向けては品質保証部とも連携し、製品完成まで携わります。社外では食品メーカーの開発担当者様と直接協議し、香味の方向性やコンセプトをすり合わせながら、最終製品に向けた調整を行っています。
香料の開発スタイルには、大きく分けて二つのパターンがあります。一つは顧客からの要望を受けて行う開発、もう一つは顧客が求めていると思われる香料を自主的に提案するための開発です。開発にあたっては、用途や消費者の使用シーン、市場やトレンド、顧客要望を踏まえて目的とする香調を設定します。その後、法規制や価格、供給状況を考慮しながら原料を選定し、配合比率を検討します。さらに、官能評価と改良を繰り返し、耐熱性や溶解性といった用途ごとの適性も含めて完成度を高めます。
開発スタイルや開発の手順については、調合香料の開発と概ね同様です。シーズニングオイルの開発においては、食品原料を中心に配合し、植物油や動物脂へ抽出していることが特徴です。そのため、原料由来の菌の殺菌条件を考慮した製品開発が必要となります。香料の調合で培った、数多くの原料をブレンドする技術と感性を活かし、複雑でリアルな調理感を表現したシーズニングオイルの開発を行っています。
スパイスやハーブ、魚介系の粉末などを抽出原料とすることが多いです。そのため、適切な抽出溶剤の配合比率や抽出温度の検討が重要となります。また、グローバル調達部と連携しながらより有効な原料の探索も行っています。品質面では、香料会社ならではの香気成分が豊富な製品開発を心がけています。
同じ創香部でも、セイボリーGrとフレーバーGrでは、開発内容が大きく異なります。セイボリーGrでは、調合香料に加えて、シーズニングオイルや食品素材エキス、香辛料抽出物製剤の開発も行っており、現在は香料分野にとどまらず、食品素材を含めた幅広い開発力の習得に取り組んでいます。これまで扱う機会の少なかった食品素材には難しさもありますが、その分、新鮮な楽しさも感じています。また、顧客提案の幅を広げるためにも、フレーバーGrとセイボリーGrの両方で培ってきた調合ノウハウを組み合わせ、シーズニングオイルで表現していた自然で複雑な香味を、調合香料で再現することにも挑戦しています。
この先は、フレーバリストとして個人の力量を高めるだけでなく、多様なフレーバリストが早期に活躍できる組織づくりにも挑戦したいと考えています。
一人で生み出せる成果には限界があり、互いに刺激し合いながら協働することで、調合技術はさらに進化し、より価値のある香料開発が可能になると考えているためです。
また、固定的なフレーバリスト像にとらわれることなく、それぞれの経験や知識、強みを活かして活躍できる環境を整えていきたいと考えています。